キャンプでもよく見かける”ポータブル電源“・・・通称『ポタ電』
ポータブル電源はモバイルバッテリーとは違いコンセントがあるのが特徴です。
バッテリー容量が大きいので家電製品も使う事が出来るのでキャンプでは重宝されています。
そして、昨今は災害時の時の対策として購入を検討されている方も多いと思います。
『よし!キャンプには行かないけど、災害時のために買っておこう!』・・・と思っても少し待って下さい。
ポータブル電源なら何でもいいのかというとそうではなく、購入ポイントを押さえた方が後悔や失敗が少なくなるので注意点を見ていきましょう!
ポータブル電源ってなんなの?
先程も少しふれましたが、ポータブル電源とは”持ち運びが出来る大容量の電力供給デバイス“になっています。
スマホに充電するモバイルバッテリーとの最大の違いは”AC・DC・USB“などの複数の出力にもポートがあります。
つまり、暑い夏に屋外で扇風機、寒い冬に暖房器具、ご飯を炊く炊飯器などの家電製品を使う事が出来るのです。
スマホやタブレットを充電する程度であればモバイルバッテリーで十分です。
災害時やキャンプのように屋外で何泊もするような状況下では家電製品も使えるポータブル電源が重宝されることは間違いありません。
しかし、最近ではモバイルバッテリーでもAC出力に対応している物もありますが”容量では圧倒的にポータブル電源“です。
“Wh”とか”mAh”ってなに?
ポータブル電源を購入しようとした時にまずは容量を見ると思います。
でも、実際に色々見ていると”mAh(ミリアンペアアワー)“や”Wh(ワットアワー)“などと表記され訳が分からなりますよね。
一般的にポータブル電源では”Wh”と表記されている事が多いと思います。
もちろん、容量が大きくなれば本体自体も大きく、重量も重たくなるので注意して下さいね。
- Wh=1時間で何W使えるか(ざっくりと容量ですね)
- mAh=1時間で何mAhの電流をながせるか
- W=出力(消費電力)
- V=電気を押し出す圧力
よく家電製品で何Wと表記されていますが、”Wとは家電製品を使う電気量“のようなもので、例えば”500Wの家電製品を1時間動かすには500Whの容量が必要“という事になります。
では、”mAh”って1時間でどれだけ電流を流せるかなのですが、ポータブル電源でもmAhで表記されていることもあります。
そんな時は『mAhとWhの変換-自動計算サイト』があるので参照にしてください。
定格出力と最大出力にも注目!
“W”とは消費電力の事で、『定格出力とはポータブル電源が放てる安定的な電力』です。
よく家電製品に〇〇〇Wと表記されています。
これはその家電製品を動かすにあたり必要な消費電力であり”W(ワット)数”と呼ばれます。
『ドライヤーで消費電力1,200W』とか表示されていたら、『ポータブル電源の定格出力が1,200W以上が必要』になってくるという事です。
また、ポータブル電源には『最大出力〇〇〇W』と表記もされています。
これはポータブル電源が『瞬間的に出せる電力』のことで台風でいうところの最大風速のようなものです。
最大出力があるならば、別に定格出力の表記はいらないんじゃないの?・・・と思いますよね。
- 定格出力:安定的に出せる電力
- 最大出力:瞬間的に出せる電力
実は電化製品によっては動き始めだけ瞬間的に必要以上に電力を使うこともあります。
そんな時のために『火事場のバカ力』的に一時的に電力の最大値をあげてくれた数値が最大出力になっています。
ではポータブル電源を購入する時にどっちを重視すればいいのってなりますが、『定格出力』で大丈夫です。
ただし、定格出力は1,500W以上を目安に選ぶのがオススメです。
どれくらいの容量(Wh)がいいの?
購入にあたりどれくらいの容量が必要のポータブル電源が必要かはキャンプと災害時では違います。
結論から言うと、”1泊2日程度のキャンプでは700Wh~800Whもあればいいですが1,000Wh以上“を選びましょう。
- スマホ:バッテリー容量が約3,500mAh(約13Wh)
- パソコン(ノートパソコン):10W~80W
- サーキュレーター:約30W程度
- ファンヒーター:約1,200W程度
- 電気毛布:約80W程度
- 冷蔵庫(ポータブルタイプ):50W程度
※照明やコンロはオイルランタンや焚き火を使用するのでリストからは外しています。
- スマホ:バッテリー容量が約3,500mAh(約13Wh)
- ラジオ:10W程度
- パソコン(ノートパソコン)10W~80W
- サーキュレーター:約30W程度
- ファンヒーター:約1,200W程度
- 電気毛布:約80W程度
- 冷蔵庫:300W~800W程度(400ℓ程度の冷蔵庫で1日に600Wh)
- 照明器具(ランタン):10W程度
- IHコンロ:1400W程度
- ドライヤー:1200W程度
必ずしもこれが全てではないですが、キャンプと災害時では必要とするものが少し違いがあると思います。
ことに災害時では電気が使えずに冷蔵庫の食材がダメになって困る事がかなり困るようです。
そんな時でもポータブル電源があれば・・・といいたいところですが、大容量のポータブル電源であっても冷蔵庫であれば1日程度しか稼働させることが出来ません。
災害時の様に何日も電気がない状態が続くことを想定するならば持ち運びが可能な『ポータブル冷蔵庫』がオススメです。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを選ぼう!
ポータブル電源は機種によって搭載しているバッテリーの種類が違います。
結論は”リン酸鉄リチウムイオンバッテリー“を選ぶようにしましょう。
リチウムイオンバッテリーとは違うので間違わないようにして下さいね。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴として・・・
- 長持ちする
- 放電しにくい
- 容量が大きい
- 安全
などのメリットがあります。
充電回数にも注意!
時々、ポータブル電源の説明欄に寿命回数が表記されていることがあります。
世の中のバッテリーは充電回数(100%~0%になる回数)と寿命が大きく関係しています。
ポータブル電源も例外ではなく充電回数によってバッテリーが劣化していきます。
先程も”リン酸鉄リチウムイオンバッテリー“を選ぶようにしましょうと言ったのは充電回数に関係するからです。
例えば・・・
1日目に80%まで使って充電(20%充電)
2日目に70%まで使って充電(30%充電)
3日目に50%まで使って充電(50%充電)
充電回数としては3回ですが、充電量の合計が0%~100%になって1回と数えられます。
リチウムイオンバッテリーの充電回数は500回程度であるのに対して、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは3,000回程度は可能です。
1日に1回満充電したとしても10年くらいは使える計算になりますよね。
ポータブル電源を買う時は充電回数が数百程度のものや従来のリチウムイオンバッテリーは避けましょう。
正弦波・純正弦波の出力波形を購入しよう!
出力波形というものがあります。
一般家庭のコンセントからは正弦波や純正弦波と呼ばれる電気の波で流れています。
安いポータブル電源は正弦波や純正弦波以外の事もあり電化製品が使えない場合もあります。
ポータブル電源を購入する時は必ず”出力波形が正弦波または純正弦波“の物を選びましょう!
周波数にも注意!
周波数なんて関係あるの?・・・と思うかもしれませんがあるのです。
周波数は西日本(60Hz)と東日本(50Hz)に分かれていて電化製品によっては引っ越しをすると使えなくなることもあります。
ポータブル電源でもこの周波数を切り替えれるタイプを選びましょう。
PSEマークも見よう!
日本の安全基準を満たしたマークになります。
このPSEマークがついていない製品もあり事故につながる可能性があります。
やはりポータブル電源を購入する時に安全性は絶対に外せないポイントです。
どれくらいの時間使えるの?
本題ですが、ポータブル電源はどれくらいの時間使えるのかですが、結論として”容量(Wh)の大きさや使用家電による“です。
容量のところで家電の消費電力を記載しましたが、例えば1,500Whのポータブル電源で50Wの消費電力のノートパソコンを使うと、おおよそ30時間使える計算になります。
ポータブル電源はレンタルもある!
ポータブル電源をキャンプで使いたいけど、実際に自分がどれだけの容量が必要かわからないという方もいると思います。
そんな時はいきなり購入するのではなく、レンタルする事もできるのでお試しで使ってみるのをおすすめします。
終わりに・・・
いかがでしたでしょうか・・・
昨今、ポータブル電源の需要が高くなっています。
でも購入する時は容量も大切ですが、”定格出力やバッテリーの種類、充電回数や安全性等にも注意“することで失敗が少なくなると思います。
安い買い物ではないのでレンタルなども利用し、色々なポータブル電源をじっくり見てから購入しましょう。